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【会長コラム】vol.9 給食部門の自立とは何か

給食部門の自立というと、直営を維持し、すべての食事を施設内でつくることだと考えるかもしれない。しかし、自立と自前主義は同じではない。委託や完調品、セントラルキッチンを活用していても、自ら方針を決め、結果を管理できていれば自立している。反対に、直営であっても赤字の理由を説明できず、病院本体が補填してくれることを前提にしているなら、自立しているとは言い難い。

病院給食には、一定の公定収入と比較的安定した食数がある。一般の外食事業のように、利用者が自由に店を選ぶ仕組みでもない。こうした環境は食事提供を守る一方、赤字が続いても部門そのものは存続できるという依存構造を生みやすい。病院が何とかしてくれるという考えから脱却し、給食を自分たちの事業として管理する必要がある。

自立の出発点は、現状を知ることである

最初に必要なのは、部門の収入と支出を明らかにすることである。一食当たりの食材料費、人件費、光熱水費、委託費、設備費を把握し、食数、労働時間、生産性、フードロス、安全性と結び付けて分析する。

赤字であることだけを知っていても経営管理にはならない。なぜ赤字なのか、どこまで改善できるのか、何を維持するために費用をかけているのかを説明できなければならない。すぐに黒字化できなくても、赤字幅を縮小する目標と行動計画を持つことはできる。

自ら選び、結果に責任を持つ

自立した部門は、従来の方法を守ることだけを目的にしない。栄養基準や食種、献立、個別対応をどこまで整理するのか。施設内で何をつくり、何を外部から調達するのか。直営と委託をどう組み合わせ、どの設備に投資するのか。複数の選択肢を比較し、自ら方針を決める。

完調品や外部委託を使うことは、依存ではない。仕様、品質、価格、役割分担を自ら定め、結果を評価できていれば、主体的な経営判断である。問題なのは、運営の設計まで外部へ丸投げし、判断基準を持たないことである。

臨床栄養と給食経営を分けない

管理栄養士にとって患者の栄養管理が重要であることに異論はない。しかし、臨床栄養を重視するあまり、給食の収支、生産性、人員、調達、衛生管理を他人任せにすれば、部門全体を守ることはできない。

必要なのは、献立作成から食材調達、調理、配膳、安全管理、患者の栄養管理、部門収支までを一体的に捉えるマネジメントである。その役割を担う人材を明確にし、経営目標と評価基準をスタッフ全体で共有しなければならない。

自立は孤立ではない

給食部門の自立は、病院経営から切り離されることでも、現場だけで問題を抱え込むことでもない。現状を数値で示し、必要な改革や投資を経営者へ提案し、診療部門や事務部門、委託会社、食品事業者と連携することである。

自ら現状を知り、自ら選び、行動し、その結果を検証して説明する。この循環を持つことが、給食部門の自立である。

※HFSA News Letter 第4・20号の内容をもとに、普遍的なコラムとして再構成。

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