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【会長コラム】vol.13 問題点を明らかにすることが変革の第一歩

給食現場では、赤字、人手不足、食材料費の上昇、食種の増加、個別対応、衛生管理、業務委託など、多くの問題が同時に起きている。危機意識はあっても、何から手を付ければよいのか分からない施設も少なくない。

そこで、すぐに完調品を入れる、機器を更新する、人を減らす、委託方式を変えるといった解決策へ進みたくなる。しかし、原因が分からないまま手段を選べば、別の場所に負担を移すだけになりかねない。設備を導入しても作業が減らず、投資負担と複雑な運用だけが残ることもある。

「困っていること」と「原因」を分ける

人手不足は問題である。しかし、必要な人が採用できないことだけが原因とは限らない。食種や献立が多過ぎる、食事変更の運用が作業工程と合っていない、業務が特定の職員に集中している、勤務時間と作業量が合っていないといった運営上の要因も考えられる。

食材料費の上昇も、仕入れ価格だけの問題ではない。使用食材のばらつき、過剰な個別対応、発注単位、献立展開、フードロスが影響している可能性がある。赤字という結果だけを見て一律のコスト削減を行っても、本当の原因が残れば改善は続かない。

必要なのは、目に見える症状の背後にある構造を探ることである。

現状を事実と数字で捉える

現状分析では、まず給食部門の全体像を計数化する。収入は食事療養費や栄養指導などに分け、支出は食材料費、人件費、委託管理費、光熱水費、消耗品費、リース費、減価償却費、管理費まで把握する。

それを病床数、提供食数、食種数、個別対応、形態加工、食事変更、職員配置、労働時間、食事生産性、フードロスと結び付ける。さらに、衛生管理、厨房面積、機器、動線、患者満足度も確認する。項目を別々に眺めるのではなく、ヒト・モノ・カネがどのように関連しているかを評価しなければならない。

現場の印象や経験は重要であるが、それだけでは優先順位を決められない。事実と数字に基づいて、何が、どこで、どの程度起きているのかを共有する必要がある。

現状と目標の差を明確にする

現状を調べるだけでは変革にならない。どのような給食部門を目指すのか、目標を定める必要がある。安全を守りながら何人で運営するのか、収支をどこまで改善するのか、どの品質を維持するのかを具体化する。現状と目標の差が明らかになって初めて、取り組むべき課題が定まる。

その後に基本構想と計画をつくり、具体的な解決策を選び、実行し、結果を確認する。ニュークックチル、完調品、セントラルキッチン、外部委託は、いずれも目的を達成するための手段である。手段から検討を始めてはならない。

一方、分析に時間をかけ過ぎ、報告書を作って終わることにも注意が必要である。影響の大きさと改善可能性から優先順位を付け、すぐに直せるものと構造的に見直すものを分けて、実行へ移すことが重要である。

問題点を明らかにするとは、欠点を探して現場を責めることではない。事実を共有し、原因を見極め、進む方向を定めることである。変革は、正しい答えを急いで選ぶことではなく、まず何を解決すべきかを明確にすることから始まる。

※HFSA News Letter 第6・13・15号の内容をもとに、普遍的なコラムとして再構成。

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